ホーム  »  診療科目  »  インプラント治療  »  インプラント症例

インプラント症例

何らかの原因(虫歯やその継発症、重度の歯周病、外傷など)によって歯を失った場合、
その場所に歯を入れる方法には3種類あります。まず挙げられるのはいわゆる“入れ歯”(専門用語では可撤性義歯という)で出し入れが可能という特徴があります。
残念ながら、大きな異物を口の中に入れるのですから、装着感が悪いのが最大の欠点です。
第2は、ブリッジ(固定性の義歯)といわれる方法で歯がある程度残っている場合に残っている歯を土台に使って歯を入れる方法です。
そして、第3がインプラントです。インプラントは歯のない場所に適切な骨があれば(骨を作ることもある)、
その部位に土台(インプラント、人工歯根)を埋め込むことによって歯を再現します。
この方法は歯のない部位に直接歯を再現する意味において従来の入れ歯やブリッジの機能をはるかに凌ぐ素晴らしい方法です。
ここでは理屈よりも治療例をお示ししますのでご覧ください。

第1例 患者さんは現在85歳の男性

今から30年前、私がインプラント治療をはじめて行った頃の患者さんです
赤枠内には人工的に合成したハイドロキシアパタイト(歯や骨の無機質)の焼結体(焼き固めたもので現在は使われていない)から作ったインプラントを植立。
その後さらに黄色枠内に2本のインプラント(チタンを軸としてハイドロキシアパタイトをコーティングしたインプラント)を植立、
以後歯を失うたびにインプラントを加え、現在まで実に30年以上使っているインプラントです。今ではすっかりご自身の歯になり切っています。

第2例 患者さんは70歳代の女性


クリックで拡大されます

上下顎とも臼歯部はすでに喪失しており、上あごの歯は重度の歯周病のためすべてグラグラで歯肉の状態もかなりひどい炎症状態を示していて、
すべて抜歯せざるを得ない状態でした(1)。残っている歯の状態から推測すると、今まで相当歯の治療に苦労された経緯がわかります。
かなり費用をかけそして長い間通院されたのではないでしょうか。下あごはレントゲン写真(2)で分かるように前歯6本以外は動揺が激しく抜歯せざるを得ない状況でした。
その後、抜歯創の治癒を待って以前から歯のなかった部位を含めて順次インプラント治療を行いました。

写真(3),(4)は初回植立時から13年たった最近の状態を示しています。歯肉の状態まで改良されているのが分かりますね。
この患者さんでは左側の上あごの1本が具合悪く撤去しましたが、現在まで自分の歯となり食べ物なら何でも噛め、審美的にも満足されています。

第3例 患者さんは40台男性


クリックで拡大されます

不幸なことに上あご、下あごともすべての歯を失い(1)、他院にて総義歯を作成し装着(2)している方です。
若くして歯を失った関係で顎堤の状態は良く義歯は安定していましたが、なんといってもこれだけ大きい義歯が入っているので違和感は避けがたく、
インプラントを強く希望して来院されました。インプラント植立手術は、局所麻酔の下でまず上顎を1回で行い(3)、仮歯を入れた後、同様に下顎にインプラントを植立、
最終的な歯は上下一括して作成し装着しました(4)。現在、終了後約2年経ち咬合の微調整を継続しているところです。

第4例 中高年の男性患者さん

上顎の右側中切歯にインプラントを植立。

院長のインプラントへの考え

最後に、30年を越えるインプラント臨床の経験を経て到達したインプラント治療に対する私(院長)の考えを述べたいと思います。 私がインプラント治療を始めた30数年前、インプラントは5年持てばよい、10年持てばよいなど予後に関してかなり不透明な時代でした。 しかし、その後、私自身の臨床例(約3,000本)が蓄積されるにしたがって、多くのインプラントが30年以上問題なく機能することが実証されています。

しかし、一方では天然の歯に起こる歯周病に類似した変化がインプラント周囲にも発症し(インプラント周囲炎という)、残念ながら脱落したり、 抜去せざるを得ない場合が避けられないことも明らかになっています。

どの程度の割合でインプラント周囲炎が発症し、予後不良となるかについては、報告によりかなりの幅があるようですが、 私の臨床例からは(統計的な分析はない)5~10%ではないかと推測しています。 このことは、一定の割合で起こるのではなく、患者さんによって偏在して起こるように思われます。 現在のところ明確な回答は得られていませんが、今後臨床例の分析によって明らかにしたいと考えています。

さて、インプラント治療に関しては最近まで過去に何回もマスコミを中心とする社会的批判を受けてきた経緯があります。 インプラント治療には患者が高齢者である場合が多いため、術前の全身的な評価は不可欠であり、加えてインプラント手術に対する(口腔)外科的な知識や技術が必須です。 このような外科的技術や患者さんに対する術前の評価は現在の歯科教育では必ずしも十分とは言えず、卒後の研修(口腔外科的知識や技術の習得)が不可欠です。 このため安易に考えると医療事故につながり社会的批判の的となるのは避けられません。

有病者に対する評価、外科的知識や技術の研鑽により医療事故の防止を図ることにより繰り返される社会的批判に真摯に答える必要があります。 インプラント治療はきわめてすぐれた治療法であり、その効果は天然歯を凌駕するほどといっても過言ではないでしょう。 今後の研究と開発により、より高度な利益を供給できるものと私は確信しています。

インプラントに関するわかりやすい解説

これらの記事はEnagic 社の広報誌に私が連載したものです
インプラント全般について分かりやすく解説してありますのでぜひクリックしてお読みください

そもそもインプラントって何だ?

チタン製インプラントが世界に普及!

チタン製インプラント治療の実際

東京セントラル歯科-医院情報

コンテンツメニュー

0335162875
pagetop